アスタリスク集会所ブログ支部

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【死神】の定義

 皆様お久しぶりです。翡翠蒼輝です。

 今週は私の担当ということで、【黒】の主軸でもある種族【死神】についてお話をしようと思います。

 と言ってもこれはアスタリスク世界における死神ではなく、あくまでも私の中で『死神とはなんぞや?』という所謂『死神の定義』のお話になります。なので少し宗教染みたお話をするかもしれませんが、別段狂っていたり、皆様を勧誘したりという意志はありませんのでご安心を。これは一つの解釈の形ですので、皆様の創作活動の手助けになれば幸いです。

 

【死神】とは?

 そもそも皆様が【死神】と聞いて思い浮かべるのはどんな姿か。

 おそらく、多くの人が黒いローブを身に纏い、大鎌を携えた者。このような姿をイメージするかもしれない。もしくはデスノートに出てくる細い骸骨に羽が生えているような存在をイメージする方も多いかもしれない。

 世の中には死神をモチーフにした作品は多く存在するが、その共通点としてはどれもその名の通り『死』に関する存在として描かれていることにある。

 しかし、死神というのは『死』とどのようにして結びついているのか。それに関しての私の考えが、そのまま『死神の定義』として表現されることになる。

 

死神の定義

 私の考えで言えば、死神とは生命を殺し、死を運ぶ者"ではない"。

 そもそも死というのは一個人によって決められるものではなく、多少の優劣があるとはいえ、それは世界に定められた『天命』です。それは彼らにとっても超越できるものではない。

 では、死神と呼ばれる彼らはなぜ【死神】とされるのか。当然のことながら、この呼び方は私たち人類が勝手に生み出し名付けた言わば想像の産物。巨大で膨大な量の人々から産み落とされた『死』への恐怖が具現化したものだ。

 しかしながら、先に述べたように死神は別に生命を死へと追いやることはできない。では、なぜ人々は死神を『死』の概念として具現化したのか。

 答えは簡単。死神は『魂の運び屋』であるからだ。 

 この世界で生きる者が死んだとき、輪廻転生をするにはそれ相応の場所へ赴かなければならない。しかし、そもそも死後の世界など知らない私たちがそんな場所を知っているはずもない。誰かに案内されなければこの世界を彷徨い続ける【幽霊】となってしまうだろう。

 そんな時に現れ、私たちを先導してくれるのが【死神】と呼ばれる存在だ。三途の川の船頭も似たような存在だろう。

 彼らは死の近い生命の傍に現れ、天命を全うするのを見届けた後にその魂をあるべき場所へと導く。それが彼らの仕事であり、存在意義である。故に彼らは死にゆく者の前に姿を現すのだ。

 彼らに死をもたらす力などない。だが、そんなことを知りもしない人類は彼らこそが死を運んでくる存在だと考え、その恐ろしさから死を象徴する神にまでその存在を押し上げた。それが【死神】と呼ばれる者たちである。

 彼らは決して死神ではない、というのは違和感があるだろう。だが、その存在を改めて見直した時、彼らは死神ではなく『魂の運び屋』という名がしっくりとくるだろう。

 それでも、この世界に定着した名は揺るがない。故に私は彼らを【死神】と呼び、そう定義する。大衆への説明など、その漢字二文字で十分すぎるのだから。

 

 さぁ、今日も天命を終える者の傍に彼らは現れる。

 

 

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